口座を作ろう


利用する決済方法が決まったら、専用口座を作りましょう。

家計と同じ口座は避けましょう。管理が煩雑になる他、紛失などの危険も増えます。事業の売上入金が記載された銀行の通帳を紛失すれば、当然、帳票を保管する義務に違反しますので青色申告特別控除の65万円はもらえませんよ。

1. 郵便振替口座開設&利用のポイント

・最寄り局を指定

振替口座の入出金は、登録した郵便局の窓口でしか利用できません。登録時に最寄り局を指定しておきましょう。

・インターネットでの利用を申請

必ず、「インターネットでの利用をする」として申し込みます。

・専用の印鑑を用意しよう

専用の印鑑を作っておくと便利です。出金時などには払い出し依頼書などの捺印を郵便局の控えと照合しますので、紛失したりどの判子か分からなくなったりしないよう管理します。

・口座名義を決めよう

口座名義は自由に決められます。開業届の有無とは関係ありません。「リサイクルショップ○○」「○○屋」みたいな名義だと分かりやすいでしょう。ただし、たびたび変更するわけにはいきませんので十分考えて決める必要があります。

代金引換伝票には、振替先の口座番号は記入しますが、名義は記入しません。ただし、依頼主欄の住所氏名が口座名義と異なると、例えば、名義が「網借屋」で、依頼主には「山田太郎」だった場合には、郵便局の貯金事務センターからいちいち確認の電話が掛かってきます。これを避けるためには、伝票の依頼主欄に「網借屋内 山田太郎」と併記します。もちろん名義がすでに「網借屋」の場合は必要ありません。

・文書扱い入金に注意

文書扱いで振替口座に入金があると、手続きに数日かかります。特に週末をはさむと遅くなります。また、郵送で送られてくる「郵便振替受払通知書」は、入金があってからさらに数日後です。

・インターネットでは明細閲覧不可

また、郵便振替口座のインターネットサービスは、驚くべき事に「入出金明細」を見ることができません。そして通帳がないので、記帳もできません。インターネットで知ることができるのは、現時点での残高と、電信振替での最近の3日間の入金(日時・名前・金額)だけです。つまり、文書扱いでの入金の情報は直接知ることが出来ないのです。このため、次のような現象が生じます。

ある日、郵貯のインターネットサービスで振替口座の残高を確認すると、2,000円残高が増えていることを発見します。文書扱いでの入金があったのです。現在振替口座で入金待ちなのは、Aさんが1,000円、Bさんが1,000円、Cさんが2,000円なので、誰からの入金かさっぱり分かりません。また、2,000円残高が増えていることが分かるのは、自分で前回チェックした時の残高をメモっているからで、これを忘れると、入金があったかどうかも分からなくなります。

もちろん、最後には「郵便振替受払通知書」が郵送されてきて、すべての入出金の明細が明らかになるのですが、それまでに時間が掛かりすぎるのが難点です。

・自分で通帳を作ろう

このため、振替口座用の自前通帳を作成することをお薦めします。

これは正式な経理帳簿ではなく、あくまで覚え書き用です。子供のお小遣い帳などで十分です。残高の変化・入出金を毎日記入していくと、残高忘れを防げます。

また、この手間を省いてくれる「郵貯チェッカー」などのソフトを使うのもお薦めです。

2. 銀行口座開設のポイント

・インターネットバンキングができること

必ず「インターネットバンキング」が可能であることを確認します。個人事業用の口座にするときは、機能制限がないかどうかも確認します。

・名義には屋号+個人名も可能

事業用口座のタイプがある場合は、屋号+個人名での名義が可能ですが、手数料その他の利用条件が、普通の総合口座と違ってくる場合もあるので、しっかり確認します。

事業用口座にした場合、インターネットから振り込む場合に、名義をどう判定するか、実験してチェックしておくことが望ましいです。詳しくはJNBの項目をご覧下さい。

3. JNB口座開設のポイント

JNBでも事業用口座として、屋号+個人名名義の口座を開設できます。しかし、このタイプの名義は判定がまちまちという問題があります。とくにJNBの名義判定で問題が出ることがあるようですので注意が必要です。簡単に説明しましょう。

・インターネットバンキングの名義判定問題

屋号「網借屋」氏名「山田太郎」の場合、「モウカリヤ ヤマダ タロウ」という名義をつくれます。スペースは全角スペースです。

インターネットバンキングでは、入金手続き時に、振込先の名義を記入させて、それが正しい名義でないと振込不可とする処理が多いようです。ところで、お客さんが「網借屋」に入金する場合、名義として次のような文字を入力することが考えられます。

「モウカリヤ ヤマダ タロウ」

「モウカリヤ ヤマダ」

「モウカリヤ」

このとき、どこまで正しく名義をチェックするかは、その振込先の金融機関のシステムによって異なるのです。JNBはもっとも厳しく、上記の例では1番目の完全なパターンしか入金が処理されません。他の名義パターンでは、名義不一致で組み戻しになります(手数料は取られます)。一方、例えば三菱東京UFJでは上記の例はすべて問題なく処理されます。

表記間違いも同様で、例えば「ジェイ」と「ジェー」や、「ジエイ」などを区別するかどうかも金融機関によって異なります。

判定が厳しいJNBでは、複雑な名義は避けた方が無難です。

JNBに限らず、口座を新設したら、別の金融機関のインターネットバンキングから、様々な名義で振込チェックをしてみる事をお薦めします。

4. まとめ

次の口座を作っておくことをお薦めします。

・ショップ名義の郵便振替口座

郵送での代金引換が可能になる他、支払方法として人気の高い振替口座は作っておいて損はありません。

・個人名義のJNB口座

ジャパンネット銀行は支払方法として人気があるほか、普通の銀行との振込取引が可能です。つまり一般銀行としての入金手段の役もこなせるわけです。

さらに振込予約も可能ですので、支払口座としても使えます。ショップ用の基幹決済口座として作成しておくことをお薦めします。ただし、名義問題がありますので名義は無難に個人にしておきましょう。こちらから振り込む際の名義は、振込ごとに自由に変更できますので問題はありません。

・個人名義のe-bank口座

イーバンクのお金は、入出金に手数料が掛かるので、なるべく出し入れを減らします。

・(必要なら)都市銀行口座

これから新しく口座を作るのなら、振込手数料無料の新生銀行などが良いでしょう。ただし個人総合口座のみのサービスです。


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